財界主権国家・ニッポン 買収政治の構図に迫る

著者/上脇博之(かみわきひろし)

定価/本体:1200円

判型/A5判

頁数/140ページ

発行/2014年11月20日

ISBN:9784889009149

 

 

 

 

 

 

【内容紹介】

「世界で一番企業が活動しやすい国」を掲げて大企業の経済活動に手厚い支援策を次々と打ち出してきた安倍政権がまもなく2年を迎えます。
そんな中、今年6月3日の日本経団連定時総会で新会長に就いた東レの榊原定征会長は、就任1日前の会見で、「政治献金のあっせんもあらためて検討し、年内に方向を打ち出したい」として献金斡旋についても復活を含め検討する方針を表明、そして9月16日には、政治との連携強化に関する見解を発表し企業献金について次のように述べました。
「一方、政治寄附については、経団連はかねてより、民主政治を適切に維持していくためには相応のコストが不可欠であり、企業の政治寄附は、企業の社会貢献の一環として重要性を有するとの見解を示してきた。政策本位の政治の実現、議会制民主主義の健全な発展、政治資金の透明性向上を図っていく上で、クリーンな民間寄附の拡大を図っていくことが求められる。そこで、経団連は、会員企業・団体に対し、自主的な判断に基づき、自由主義経済のもとで企業の健全な発展を促進し、日本再興に向けた政策を進める政党への政治寄附を実施するよう呼びかける。また、経団連としての政党の政策評価も実施していく」
もし日本経団連が政党買収、政策買収、政治買収を復活させれば、ますます、財界政治が強化され国民主権は形骸化され、事実上の財界主権が進行することになるでしょう。このブックレットが日本経団連の「政治献金のあっせん」による政党・政策「買収」を断念させ、企業・団体献金の法制化に向けた運動に役立つことを切に願っています。

 

【著者紹介】

上脇博之(かみわきひろし)

1958年7月生まれ。鹿児島県姶良郡隼人町(現「霧島市隼人町」)出身。鹿児島県立加治木高等学校卒業。現職、神戸学院大学大学院実務法学研究科(法科大学院)教授。専門、憲法学、政党に関する憲法問題、国民代表制論、政治資金問題など。1984年3月関西大学法学部卒業。1988年3月神戸大学大学院法学研究科博士課程前期課程修了。1991年3月神戸大学大学院法学研究科博士課程後期課程単位取得退学。1991年4月~1993年3月日本学術振興会特別研究員(PD)。1994年4月~2004年3月北九州大学(現「北九州市立大学」)法学部・専任講師・助教授・教授。2004年4月~現職。博法(法学)2000年2月神戸大学

 

【目次紹介】

はじめに

第1章 日本経団連の2大政党「買収」
 第1節 「民主主義のコスト」と企業・団体献金
 第2節 企業・団体献金の政党本位「改革」
 第3節 日本経団連の政治献金「斡旋」による政党「買収」
 第4節 外資系企業の政治献金解禁

第2章 民主党「企業・団体献金全面禁止」公約の反故
 第1節 追い詰められて「企業・団体献金」全面禁止公約へ
 第2節 民主党の公約反故に向けた策動
 第3節 公約の反故

第3章 悔やまれる民主党公約反故
 第1節 東電の福島原発「事故」と組織的献金
 第2節 電力各社の事実上の企業献金
 第3節 自民党のゼネコンへの政治献金「請求書」
 第4節 復興予算流用補助金の自民党への還流

第4章 西松建設違法献金事件~企業負担のダミー政治団体・役員献金
 第1節 西松建設違法献金事件発覚と同社社長・二階俊博大臣秘書の有罪
 第2節 小沢一郎氏の公設秘書有罪
 第3節 孫崎享氏の陰謀説は妥当か?

第5章 企業・団体献金の全面禁止の必要性
 第1節 企業・団体献金正当化論とそれへの批判
 第2節 企業・団体献金における人権侵害
 第3節 日本経団連の政党「買収」復活のおそれ

おわりに

 

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