子どもはどこで生きる力をたくわえるのだろう

*――――子どもの発達心理学

少子化時代の子どもへのまなざしは、必要以上に濃く縛りが強く、子どもへの言葉は必要以上に操作的になってはいないか。子どもは、大人を小さくしたものではない。子どもは、子ども時代を生きるのだ。

 

【著者】佐伯洋(さえきひろし)

 大阪市内での小学校教職経験をへて、大阪府立高校満期退職の後、千代田高校で非常勤講師。生活綴り方なにわ作文の会委員。教育科学研究会常任委員。大阪教育文化センター親と子の教育相談員。大阪保育・学童保育運動連絡協議会常任講師。立命館大学文学部、京都府立大学などで非常勤講師。

 著書に『思春期反抗期』(日本図書館協会選定図書)、『たくましく育てる』、『作詞法入門』、詩集『よく似た日々のくりかえしだけれど』(いずれも日本機関紙出版センター)、『どーんとこい思春期』(たかの書房)、詩集『象の青い目』(編集工房ノア)。 

 合唱組曲「光れ中学生」、「おーい春」、「いま生きる」(いずれも関西合唱団定期演奏会初演)などをはじめとする詩作。また近年は演劇脚本も手がける。

 

*定価1500円 A5判 300ページ

*ISBN9784889008432

 

【目次紹介】・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

はじめに

 

第1章 子どもは途中を生きている
    こわい目になっていた
    子ども心の居場所
    つながりあう
    しなやかな心
    母と子
    水たまりに映っている夕焼け
    心の中の風景
    自分の存在の意味をさがす
    待つ人に与えられる喜び
    人間としての発達
    ほんとうの豊かさとは何だろう
    人の死、そして生きること
    コミュニケーションの楽しさ
    子どもは途中を生きて
    子どもの自立のステップは
    自己成長を対象化する
   

第2章 子どもが一歩前にでるとき
    生きることの味わい
    どんなとき生き生きするか
    同じ時代を生きる道ずれとして
    子どもの息づかい
    日々を生きる力と子どもの表現
    乳幼児期のあゆみ
    人間観をひろげる子どもたち
    他者との比較やまなざしではない
    生きぶりは書きぶりにあらわれる
    子どもの表現をどう読むか
    子どもが表現するとき
    生きることへの弾み
    時代・歴史との出会い
   「いまの自分」は―
    子どもが一歩前に出るとき
 
第3章 子どもと寄りそう、子どもと向き合う
     *いま、新しい「荒れ」の中で見えてきたもの 座談会Part・1  

     「学級崩壊」になりました
      教師と子どもとのズレ。私たちの「枠組み」が問われている
      新しい「共同」の芽生えをどこに求める
          「個」としての存在感を求めている
      新しい「荒れ」の背景にあるものは何か
 
    *「いじめ問題」と子どもたち 座談会Part・2  
      子ども自身の自己イメージが低い
      競争原理が内面化してきている
      いじめの質が変わってきた
      ズボンを脱いで踊れ  
      痛めつけられているから痛めつける
      強者・弱者の構造はどうしてできる
      いじめの根っこに何があるのか
      人の心がわかるか
      自分を大事にしていない
      「お母さん、学校でいじめがあってん」
      いじめ克服の道はひらける

 

第4章 父母・教職員の共同を ―その条件を考える―
    「違い」を認める
    納得のないところに共同は生まれない
    〝5日間連続〟が功を奏した
        共同の土壌を作る
    受難者が組織者となる
    共同の広がる可能性はどこに
    
第5章 子どもはどこで「生きる力」をたくわえるのだろう
    子どもたちの「不登校・登校拒否」が語りかけるものは
    日本の子ども―国連子どもの権利委員会からの勧告
    人とかかわる力/つながりあう力
    子どもの自己決定力 
    ゆったり、ゆたかに光を浴びて  
    内面にイメージを描く力
    生き方を模索する力 

 

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