基礎から学ぶ国保

著者/寺内 順子(てらうち じゅんこ)

定価/本体:1500円

判型/A5判

頁数/194ページ

発行/2015年6月20日

ISBN:9784889009224






【内容紹介】

「なぜ国保料(税)は高いのか」「なぜ差押えしてはいけないのか」…など、国や自治体に対して運動を進める上で、国保の基礎を、法律・制度・会計などについて学ぶことがとても重要になっている。都道府県単位化問題の最新情報も踏まえて、今後の国保改善運動を提案していく。


【著者紹介】

寺内 順子(てらうち じゅんこ)

1960年生まれ。佛教大学社会学部社会福祉学科卒業後、豊中の障害者施設に勤務、1991年大阪社会保障推進協議会入局、現在事務局長。
これまでの著書(共著含む)は『国保広域化でいのちは守れない』(2010年、かもがわ出版)、『国保の危機は本当か?』(2011年、日本機関紙出版センター)、『住民運動のための国保ハンドブック2012』(2012年、日本機関紙出版センター)、『2025年介護保険は使えない?』(2013年、日本機関紙出版センター)、『明日もやっぱりきものを着よう』(2013年、日本機関紙出版センター)ほか大阪社保協ハンドブックシリーズなど多数。


【目次紹介】

プロローグ


第1章 国保の今をまず知ろう
1.日本の公的医療保険は4種類
2.国保はどんな人のための医療保険なのか
3.国保加入世帯は無職とワーキングプアで8割
4.世帯所得は平均140万円
5.国保料と国保税がある
6.保険税・料の課税回数、賦課限度額


第2章 国保は社会保障~歴史から見る
1.戦前――戦争のための旧国民健康保険
2.戦後――国の責任を明確にした社会保障へ
3.医療獲得へ――再構築にむけたとりくみを学ぶ


第3章 国保料(税)の仕組みと値下げのために何ができるか
1.収入・所得・課税所得の違い
2. 国保料と国保税の違い
3.保険料(税)の決め方
4.保都道府県単位化で保険料(税)の決め方が大きくかわる
5.国保料(税)を計算してみよう
6.国保料が高額となる理由の分析が保険料引き下げにつながる
7.国保料はワーキングプア世帯にとっていかに高いか~シングルマザー世帯でみると
8.保険料(税)を安くするためにできること


第4章 国保会計を学び国保財政の真実を知ろう
1.国保会計の基本
2.全国ベースでみると2008年度から国保会計は∨字回復
3.全国市町村国保財政も好転~8%しか赤字ではない
4.国保会計の大幅黒字をどう考えるか


第5章 国保都道府県単位化でいのちは守れるか
1.局面が変わった国保広域化・都道府県単位化
2.「社会保障と税の一体改革」の流れ
3.「国民会議報告書」には、なにが書かれたのか
4.知事会の問題意識は「高すぎる保険料」だったが…
5.「議論の取りまとめ」に書かれていること
6.3400億円投入で国は「1万円保険料が下がる」というが?
7.納付金(分賦金)方式で保険料(税)値上げの可能性が
8.住民・被保険者の願いはかなうのか
9.2015年度保険財政共同安定化事業一円化問題


第6章 法令通知を学び生かして運動を~違法な差押えを許すな
1.発端──弁護士との国保勉強会
2.差し押さえの法的根拠
3.法令を学ぶなかで知った「滞納処分の停止」
4.差押禁止債権の預金口座を差し押さえることができるか?
5.たたかえば必ず成果~一方全国では
6.徴収機構について
7.全国で運動を広げていくために─楠晋一弁護士からの提案
8.大阪の市町村は学資保険を差し押さえない


第7章 国保法第一条「社会保障としての国保」を実現するために
1.資格証明書・短期保険証
2.保険証はあるが、手持ちの現金がなく窓口負担ができない
3.どの医療保険にも加入していない人たちの問題


エピローグ


資料 平成25年度全国市町村国保会計収支