ベラミ楽団の20世紀
音楽でつづる日本現代史
本庄豊/著
■頁数/316ページ
■定価/1760円(本体1600円)
■発行/2024年6月20日
■発売/2024年6月25
■ISBN/9784889002935
【内容紹介】
海外航路や上海租界などでの楽団演奏はあったが、ジャズという音楽が日本で本格的に流行し定着するのは、1945年の敗戦後のことである。ジャズを持ち込んだのはアメリカ占領軍だが、演奏者は日本人の「にわかジャズミュージシャン」。彼らはアメリカ軍専用のダンスホールや各地キャンプ(基地)で米兵を慰めるためにジャズを奏でた。サンフランシスコ講和条約から朝鮮戦争期には日本人ジャズミュージシャンの演奏技術が飛躍的に向上し、彼らは高給取りとなっていった。
朝鮮戦争の休戦で米兵が本国に帰還したり、米軍基地が占領下の沖縄に集中するようになると、仕事を失ったジャズミュージシャンは芸能界やジャズ喫茶などで演奏するようになった。京都三条にあった高級ナイトクラブ「ベラミ」の前身もジャズ喫茶だった。
本書はその「ベラミ」の盛衰とバンドマスター・野力久良の一生を導きの糸として、ジャズやポップスを中心とした音楽の戦後史を社会運動的視点から描く。朝ドラ「カムカム」や「ブギウギ」でジャズに関心を抱いた方たちにもお薦めする一冊。
【もくじ紹介】
「古くて新しい記憶」を呼び起こすベラミの歴史
『ベラミ楽団の20世紀 音楽でつづる日本現代史』によせて
まえがき~京都のジャズ喫茶をめぐる
序章 野力久良と関西オールスターズ
一章 高級ナイトクラブ「ベラミ」
二章 越路吹雪とベラミのママ・山本千代子
三章 ベラミ前史Ⅰ~戦前日本のジャズ音楽
四章 ベラミ前史Ⅱ~進駐軍クラブから歌謡曲へ
五章 加山雄三 イン・ベラミ
六章 ナベプロ関西事務所とベラミでの原盤製作
七章 ベラミ争議と音楽家ユニオン
終章 京都ポップスジャズオーケストラ(KPJO)の11年
あとがき~LPレコードを求めて
補論 いま戦後史を学ぶ~自らの生き方と重ね合わせつつ
はじめに~歌が世につれていた時代
一 高橋磌一『流行歌でつづる日本現代史』
二 非行少年がいた時代
三 自由民権運動とティーロード
四 地域に根を張る歴史の授業と研究
五 ブラジルからの招待状
六 幸徳秋水の真筆
七 戦争孤児研究へ
おわりに~戦後史は未解明のことばかりこの本を注文する、問い合わせる
【著者紹介】
本庄 豊 (ほんじょう ゆたか)
専門研究分野は近現代日本社会運動史、戦後社会史。
1954 年、群馬県碓氷郡松井田町(現:安中市)に生まれる。県立前橋高等学校を経て、東京都立大学卒。国家公務員、地方公務員勤務後、京都府で公立中学校や立命館宇治中学校・高等学校で社会科教員となる。
現在、立命館大学・京都橘大学非常勤講師。歴史教育者協議会副委員長、社会文学会理事。
日中友好協会宇治支部長。宇治高齢者事業団理事。定年退職後、一人親方DANBE 工務店創業。
主な著書に『ポランの広場―瓦解した「宮沢賢治の理想郷」』(かもがわ出版、2007 年)、『テロルの時代〜山宣暗殺者黒田保久二とその黒幕』(群青社、2009 年)、『魯迅の愛した内山書店〜上海雁ヶ音茶館物語』(かもがわ出版、2014 年)、『戦争孤児~「駅の子」たちの思い』(新日本出版社、2016年)『「明治150年」に学んではいけないこと』(日本機関紙出版センター、2018)、『児童福祉の戦後史 孤児院から児童養護施設へ』(吉川弘文館、2023 年)、『ケーキと革命 タカラブネの時代とその後』(あけび書房、同年)、『西本あつし 平和行進をはじめた男』(群青社、同年)など多数。
【販売取扱ネット書店】
丸善ジュンク堂書店 セブンネット HonyaClub e-hon